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アートと住宅建築を見に行く-01

  • 執筆者の写真: ikuyo ono
    ikuyo ono
  • 2023年10月16日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年11月3日

70年代に建てられた、建築家、原広司設計の住宅、粟津潔邸が、アートスペースとして一般公開された。こけら落としで開催されているのは吉國元さんの個展「根拠地・粟津邸からはじまる」。空間体験をお伝えしたく、前後編でレポートを書いてみた。

 

階段の上からアトリエに飾られた絵を見たところ

粟津邸は、グラフィックデザイナーであった粟津氏のアトリエと、家族が暮らす住居からなる。一枚目の写真は、階段上から見えるアトリエを撮影したところ。展示されているのは、空間サイズに合わせて拡大された、吉國さんの作品。アトリエの天井は約2.5層分の高さがある。

玄関下の階段スペース。拡大した絵が飾られている。カラフルな傘をさす、3人の人。

入口は最上階にあるので、玄関を入るとすぐに、階下に降りる階段がある。二枚目の写真は、その階段を降りて振り返ったアングルで撮ったもの。ドーム状のトップライト、街路にありそうなポコっとした照明器具、水平ラインの目地はこの建物の特徴だ。粟津邸は、原氏が「反射性住居」と名付けた一連の住宅の中の、第一号だという。

街路のような空間は、建物のど真ん中を貫いている。その両脇に、キッチンや寝室といった個室と、ダイニングやリビングといったの溜まりが配置されている。(この溜まりの部分は交差点のような感じだ。)玄関扉を開けると、アトリエの壁面まで見通せる。(今回の展示は、会場に入るとはじめに目にする作品が、一番奥に展示されている、という仕掛けだった。)

元ダイニングスペースであった、展示室の様子。

ダイニングの展示の様子。高さ低めの吐き出し窓の横には、ダイニングテーブルがあったのでは?と推測。椅子に座った高さだと、視線に庭が映る。(そこには粟津氏の彫刻があった。)

展示は、吉國さん自らレイアウトされたそうだ。吐き出し窓と、上部の4つの小窓を意識したというこの壁面は、どこかリズミカルで、氏の作品のモチーフであるジンバブエの空気感を感じる。


下の写真は庭から建物を写したところ。坂道に沿って建てられており、庭も、建物内部も「坂」状にレベル差がある。ダイニングの窓から庭へ出ると、坂の中腹より少し高いレベルに出る。建坪と同じくらいの幅の庭、大開口はないが、隣家との距離を保っているため、要所に開けられた窓からは十分に光が入る。


庭から建物を写した写真。

(後半につづく・・・)




「アートと住宅建築を見に行く-01」







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小野 育代 | Ikuyo  ONO

一級建築士

1972

東京生まれ 兵庫県育ち

1992

島根県松江北高校卒業

1996

横浜国立大学建設学科建築学コース卒業

1996

ハル建築研究所に4年間勤務。
老人福祉施設・集合住宅の企画設計に携わる。

2006

小野育代建築設計事務所 設立

2014

NPO法人 家づくりの会

2018
​東京モード学園非常勤講師


 

小野育代・小野育代建築設計事務所・建築家

小野 雅之|Masayuki  ONO

一級建築士 一級建築施工管理技士

1969

愛知県生まれ

1988

愛知県立岡崎北高等学校卒業

1993

横浜国立大学建設学科建築学コース卒業

1993

プラントメーカーに17年間勤務。
ごみ焼却リサイクル施設、発電所、機械工場の新築や改修の設計・現場管理に携わる。

2010

小野育代建築設計事務所に参画し、

建物調査・改修計画・設計監理などを実施。

2012

公社)日本木材保存協会 木材劣化診断士

2014
一社)住宅医協会 公認住宅医 

2015

​川崎市木造住宅耐震診断士

小野雅之・小野育代建築設計事務所

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